ブランディング定点・定物観測

J.CREWが飛躍するきっかけとなった酒屋のようなアパレル店舗

店舗外観 まさにバーのたたずまい
先日からニュースで「ユニクロを展開するファーストリテイリングがアメリカのJ.CREWを買収か?」と取り上げ話題になっています。J.CREWをもっているファンド会社が5000億程度を提示している(?)との話もあり、その動向に注目が集まっています。

両社共に正式なコメントがないため内容は定かではありませんが、このようなニュースがでるほど、いま、J.CREW(ジェイクルー)が注目されています。

売上も利益も非常に好調。今ではアメリカを代表するファッションブランドになったという話もあるほどです。
同店が飛躍するきっかけとなった店に先日、ニューヨークに行った際に寄ってきました。それがJ.CREWリカーストアです。

J.CREWリカーストアという店がアメリカ・ニューヨークのSOHO近くのトライベッカという地区にあります。トライベッカは古いレンガ造りの建物が多く残っていて、非常に雰囲気のいい街。今この街に新しい店がどんどんできていておしゃれな人達からは注目されています。
J.CREWが注目されるきっかけとなった店、J.CREWリカーストアはここに出店しています。

ショーウィンドー
ウォール街の金融マンが通う有名レストランが立ち並ぶトライベッカ地区に、Jクルーが小さな店を出したのは、2008年8月のこと。元は酒屋だった場所がレストランブームでバーになり、さらに改装されて、このショップがオープンしました。もともとは1825年に建てられたもの。街のランドマークとして市の保存物件だったようです。この建物をほぼ居抜きで使っているものです。

J.CREWリカーストアは、「ニューヨークに行くのなら、ぜひ見てきたほうがいい」と、何人ものファッション関係者がすすめる店です。

バーで使われていたままのカウンターに積み上げられたジーンズ。
フロアに無造作に並ぶオールデンのローファーやニューバランスに別注して作られたスニーカー。
従来のJ.CREWとはちがい、自社ブランドと、有名ブランドとのコラボ商品が上手に陳列されているコンセプトショップです。

カウンターバーを陳列テーブルにしている
お酒もディスプレイされている
酒屋をそのまま使って、リノベーションしたわけではなく、そのままの風合いを使い、カウンターもそのまま使うという凄さ。カウンターの中にはスタッフがいて、まるでバーさながらに酒ではなく洋服を接客してくれます。この意外性。なかなかのセンスです。

J.CREWは、リーズナブルな価格とキレイ目カジュアルの提案で、一時期は日本でも人気があったブランドです。もともとは日本ではアパレルメーカーのレナウンがライセンスをもって販売していました。

しかし、当時のJ.CREWはどこか地味で、広く展開される前にライセンス契約が終わり日本からは撤退したのです。その後、デザイナーが変わり、J.CREWは見事に復活をしました。いまやニューヨークファッション業界のファッションアイコンともなっている社長のJenna Lyons(ジェナ・ライオン) のもとJ. CREW は生まれ変わりました。

レディスにはTom Mora(トム・モラ) がデザイン。プレッピーなメンズスタイルをベースに、プリントやカラーなど絶妙なセンスでトレンドを加えるそのスタイリング術に支持が集まっています。メンズはRalph Lauren(ラルフローレン)などでもキャリアを積んだFrank Muytjens(フランク・マイジェン)がデザイン。アメリカの古き良きトラッドスタイルを今風にアレンジしているのが特徴です。

このようにファッションというのは、そのブランドをどのように料理するのかによって、復活させることが可能です。大事なのは、そのブランドの何が売りなのか。どこが独自性になるのか。
それを見極める目が大切です。

見る視点によっていいブランドにも、よくないブランドにもなります。
私たちはどんな業種であれ、いいブランドとして認知していただくように努力することが必要です。

J.CREWにブランドづくりの原点を見ることができました。

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■ 著者プロフィール
岩崎 剛幸(いわさき たけゆき)
船井総合研究所 ブランド&PRチーム 上席コンサルタント
「組織は戦略に従う。戦略は思い(情熱)に従う」というコンサルティング信条のもと、出会うすべてのお客様に対して、情熱を込めたコンサルティングを行う。コンサルティングテーマは、「永続性を実現させるブランド戦略」。アパレル業界を専門領域として、アパレルメーカーの戦略立案、新業態開発を得意とし、SPA専門店、百貨店、GMS、品揃え型専門店にいたるまで川上から川下までのコンサルティングを実施している。現在はアパレル企業のブランド戦略づくりに特に力を入れている。立教大学兼任講師。
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