ブランディング定点・定物観測

ISETAN MIRROR

三越伊勢丹ホールディングスは3月6日、ラグジュアリーコスメ編集ショップ「イセタン ミラー メイク&コスメティクス」の1号店をルミネ新宿店ルミネ2にオープンしました。

オープン日はお客様が売場からあふれかえるほどの人気。
さすがに日本一の化粧品売場を持つ伊勢丹の強さが見られる売場となりました。目標値としては、来店客数、1日平均200人、年商4億5000万円を見込んでいます。

同店では、ラグジュアリーコスメに強みを持つ伊勢丹新宿本店で培った販売ノウハウや商品調達力を最大限に生かし、国内外20の高級グローバルブランドの化粧品、化粧品関連雑貨・小物をブランドの枠を超えた編集力で展開しています。

■展開ブランド 一覧
「アウェイク」「アディクション」「アナスイ」「RMK」「イヴ・サンローラン」「エスティローダー」「エスト」「クラランス」「クリスチャンディオール」「クリニーク」「グローバルSHISEIDO」「ゲラン」「KOBAKO」「ジバンシイ」「シュウウエムラ」「スリー」「NARS」「ヘレナ ルビンスタイン」「ボビイブラウン」「ランコム」
「欲しい時に・好きなように・欲しいモノだけ」が同店の売場コンセプトです。
お客様が自由に試して、比較検討できる環境づくりを目指している点が特徴です。これがルミネのコンセプトともあっているところが、企業の枠を超えて、しかも近隣に伊勢丹がある中でのテナント誘致のポイントになったようです。

伊勢丹の狙いとしては、ルミネの主要客層である20代女性にもラグジュアリーコスメを気軽に体験してもらうことで、将来的に百貨店の顧客に育てたいということです。今後同社では、20店舗~30店舗の同様の出店を考えているようで、百貨店の新しい戦略として注目されています。
メーカーからは美容部員の派遣を受けておらず、伊勢丹の教育プログラムや各ブランドの研修を受けた自前のビューティーコンサルタント14名で運営。

「セルフ販売からちょっとしたアドバイス、カウンセリング販売まで、お客様の要望に合わせた接客スタイルが実現できる」(同社マネージャー)ということです。

イセタンミラーがなぜ注目できるのか。
その理由は百貨店が売場を外に作ったことにあります。
なぜこのような出店をするにいたったのでしょうか。

イセタンミラーはこれからの百貨店の新しいカタチ
これまでの百貨店というのは、いかに総合的な品揃えでお客様に喜んでいただくかとういう総合化を売りにしてきました。だから百貨店と言いました。衣食住サービスにいたるまで、あらゆる相談に乗り、あらゆる商品やサービスを品揃えすることが百貨店という商売だったのです。

ところが、それがあだとなり、百貨店の売場効率は落ち、また専門性を売りにする各業種の専門店が急速に売上を伸ばしてきました。家電量販店、家具小売業、衣料品SPA企業、メガネ専門SPA企業、食品スーパー、CVS…など、ありとありゆる業種の専門店が売上を伸ばしてきました。

その影響を多少なりとも受けて、百貨店の年間売上高は10兆円近くあったところからついに6兆円をきりそうなところまで落としてしまいました。
このままでは業態としての盛衰に関わるということで、本当の危機感をもった企業が新しい戦略に売って出始めました。

その1つの戦略が、「百貨店の強い部門を専門店化して、外に打って出る」というものです。
百貨店だけでなく、駅ビルやファッションビル、SCや路面店などの開発も専門店なら可能となります。これは今までやりたくてもなかなかできなかったことです。
その先駆けとなるのが、今回のイセタンミラーではないかと私は思います。

イセタンミラーに先立って、イオングループも化粧品の専門店を開発し、オープンさせたことが話題となりました。おそらく今後、「阪急コスメ」や「大丸ビューティー」など、類似の売場ができてくるでしょう。それだけ化粧品はマーケットがあるわけです。
いずれの企業も新しいことに着手し始めていかなければ生き残れないのです。

百貨店はすでに小売業界のトップ企業ではありません。
特に今までのような普通の百貨店商売をしているだけでは生き残れません。

したがって、イセタンミラーを皮切りにさまざまなセレクト業態がスピンアウトしていく可能性があります。

 ・婦人靴のセレクトショップ
 ・下着・肌着
 ・食品(デパ地下の専門店化)
 ・メンズコスメ
 ・時計と宝飾とファッションの高級セレクトショップ
 ・食とファッションのライフスタイルショップ
などなど。

その組み合わせを考え始めたら、百貨店ほど組み合わせが複数ある業態はありません。
これこそが百貨店の強みです。
これからの百貨店は総合化の強みを活かしながら、その組み合わせのアイデアで勝負していくことができれば、また新しいビジネスを構築できるのではないかと思います。
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■ 著者プロフィール
岩崎 剛幸(いわさき たけゆき)
船井総合研究所 ブランド&PRチーム 上席コンサルタント
「組織は戦略に従う。戦略は思い(情熱)に従う」というコンサルティング信条のもと、出会うすべてのお客様に対して、情熱を込めたコンサルティングを行う。コンサルティングテーマは、「永続性を実現させるブランド戦略」。アパレル業界を専門領域として、アパレルメーカーの戦略立案、新業態開発を得意とし、SPA専門店、百貨店、GMS、品揃え型専門店にいたるまで川上から川下までのコンサルティングを実施している。現在はアパレル企業のブランド戦略づくりに特に力を入れている。立教大学兼任講師。
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