よくある書籍のランキングでは、売り場にも左右されてしまいますし、それらは個々の書籍のランキングになってしまいます。したがって、もう少し大きなくくりで見て、今ビジネスマンが求めていることはなんだろうか、ということを知りたいと思いました。
そこで、日経新聞に掲載された書籍の広告で、各ジャンルの内容によるくくりで掲載回数を集計し、今ビジネスマンが求めていることを定点観測していきます。
なお、ビジネスから離れた書籍や雑誌は集計結果に含まれません。
2010年7月の集計結果は以下の通りです。
いかがでしょうか。
今月10回を超えた内容は、ビジネスのジャンルでは、経営戦略、組織・マネジメント、コミュニケーション、会計・経理、勉強のジャンルでは、英語、思考法、経済学、人生のジャンルでは成功、生き方です。今月は、10回を越えたジャンルが比較的多い月となりました。
まず、経営戦略ですが、今回は19回と非常に多かったと言えます。ドラッカーブームの中で、経営の教科書ともいうべきアカデミックな視点での経営戦略論が再燃しているとも言えるのではないでしょうか。
マイケル・ポーター氏やフィリップ・コトラー氏といった経営戦略の定番書なども見受けられました。経営戦略の入り口にして定番、普遍的な名著たちです。改めて、勉強してみよう、という熱のようなものが、先行き不透明なこの時代に求められているのかもしれません。
次に、組織・マネジメントですが、これはまさに、『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』の影響が大きいのではないかと考えます。
ドラッカーの書籍も改めて売れていますし、『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』もまだまだ売れ続けており、100万部を突破したようです。本書は私の周辺ではかなりの確率で読まれていますね。でも、このブームによって、多くのビジネスパーソンが組織・マネジメントの重要性に気付き、良い会社が続々と誕生するのであれば、本当に素晴らしいブームだと思います。
そして、コミュニケーションについてですが、こちらももはや常連です。言っていることがわかりづらいビジネスパーソンは結構いるものです。プレゼンテーションでも、結局何がいいたいのかわかりづらい方もいます。それくらい、相手に何かを伝えることは簡単なことではありません。
特に、ビジネスにおけるコミュニケーションは、ただ伝える、ということに留まらず、伝えて動かす、ということまで必要になってきます。したがって、話せば良いというものではなく、コンテンツも大切ですし、順序も大切です。これは訓練によって使えるレベルになるのです。
そして、会計・経理については、IFRSに関する書籍が増えていますね。それだけ注目されている内容だからです。それにしても、IFRSは皆さん、なんと読んでいるんでしょうか。これに正解はないようです。メディアがなんと呼ぶかによって、それがディファクトになる可能性は大きいかもしれません。IFRSに関する書籍はしばらく続きそうですね。
勉強のジャンルでは、まずは英語です。楽天やユニクロといった、日本発のグローバル企業では、幹部には英語を標準語とさせる動きがあります。英語を苦手とするビジネスパーソンには恐ろしいことではないでしょうか。
もちろん、これを機に英語をべらべらになってやる!という気概を見せているビジネスパーソンもいるでしょう。ただ、今年の新卒者のアンケートで、海外赴任をしたくない、というビジネスパーソンが多いのは、英語が原因ではない、とは言えないでしょう。私は個人的には、英語はビジネスレベルでできるようにならないと、これから厳しくなるのではないかと思っています。
次に、思考法です。最近、このような思考法の書籍が非常に増えてきている気がしています。今のビジネスパーソンはこれまでどおりではダメで、新しいことをどんどん生み出していかないといけません。しかし、それって具体的にどうすればよいのかも難しいところです。そこで、思考法を学ぶことによって、新たな発想ができたりすると考えるのではないでしょうか。
そして、経済学ですが、日本経済やグローバル経済ではなく、あくまでも経済学です。何が起きているかを知ることも重要ですが、経済学として、そもそもそれってどういうことなのか、なぜそういうことが起こるのか、という一般論も重要ですよね。そこから演繹的に考えて、自分なりの未来予測や結論を導き出すことができるはずです。
勉強に関するジャンルは増えています。~学、~法、~術、などなど、多くの書籍が出版されています。これは、自分磨きですよね。知を得るための読書から、知を生み出すための読書へ、徐々にニーズが移行しているのかもしれません。
人生のジャンルでは、成功と生き方が多かったと言えます。今、成功をつかむことは難しいと思われているのかもしれません。でも、見る人が見ればこの混迷の時代はチャンスと捉えます。物の見方によって変わってくるのです。少しでも成功をつかめるように、すがる思いで読まれているのではないでしょうか。そして、それは生き方とも密接に関係してくる話題なのです。
さて、今回も気になった書籍もいくつかあります。
1つ目は、以前流行った『夢に日付を!』(渡邊美樹著 あさ出版)です。夢をかなえるにはどうすればよいのか、それをワタミ創業者の渡邊美樹氏が語ります。これは、既に出ていた本なのですが、最近、テレビ東京系列の「石川遼スペシャル RESPECT」や日本テレビ系列の「1分間の深イイ話」で紹介され、再ブームとなっています。当時読んでいなかった方々が、改めて買い出しているようです。それにしても、やはりテレビの影響力というのは大きいですね。
2つ目は、『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』(岩崎夏海著 ダイヤモンド社)です。もう言わずと知れた本になりました。今月は、全5段で「いつのまにか『もしドラ』と呼ばれるようになりました。」という広告を出していました。特に宣伝するような文句もなく、この1文が効いています。
3つ目は、『これからの正義の話をしよう』です。これは、教育テレビで放送されて話題になった教授の講義です。既に20万部を突破し、YOUTUBEでもかなり見られていますし、まだまだ話題になりそうです。




























