ブランディング定点・定物観測

銀座はなぜトップブランドから飽きられ始めているのか?

■ 銀座が変わる
銀座の歩道 いま、銀座が大きく変化しています。

高級ブランドブティック街から、カジュアルの総本山、そして、外国人観光客のお買い物スポットへと変わりつつあります。銀座はこれからどうなるのでしょうか。銀座は銀座ではなくなってしまうのか。そしてそこで商売をしている企業はどうなるのか。
最近では世界のトップブランドが集まる街から、世界のトップブランドが離れる街へと変わりつつあるように感じています。
世界最大のファッションタウンの変化から、これからのマーケティングのヒントが見つかりそうです。
■ 銀座とは
銀座はもともと江戸時代に銀貨の鋳造を行っていた場所です。だから「銀 座」と呼ばれます。明治時代に二度の大火があり、それに伴い大規模な区画整理と、銀座煉瓦街の建設が行われ、この頃に新橋―横浜間の鉄道が作られ、その終点が新橋だったことから、銀座を一大繁華街にしようという動きがあり、銀座が栄えていきました。

その後、銀座は名実共に日本の代表的な繁華街へと発展し、「みゆき族」、「銀ブラ」(銀座をブラブラウィンドーショッピングすること)など、銀座を発信基地とした一大ムーブメントが巻き起こりました。

※「みゆき族」 
1960年代の突発的なブーム。銀座のみゆき通りや並木通りに大勢の若者がたむろするようになった若者達の総称。ファッションの特徴は、男性は流行中のアイビー・ルックを少し崩したスタイル。女性はロングスカートのバックに共布のリボンベルトを結び、二つに折ったハンカチーフを頭にかぶるというもの。そして男女ともに、大きな紙袋か麻袋をかばん代わりに抱えていました。紙袋はVANが大人気。私は昔のニュースでしか見たことがありません!!

こうしたことから銀座がファッションの街、トレンド発信の街になっていったのです。
■ 銀座と言えば高級ブランド街
その結果、銀座は世界でも有数の高級ブランドブティック街となりました。

舶来物を買うなら銀座。ちょっと小奇麗な格好をして、買い物に出かけるようかと意気込んで銀座には出かけたものです。それが、2000年ごろから銀座には多数の高級ブランドに加えて、ビームスやシップス、オペークといった、いわゆるセレクトショップが出店するようになりました。もちろん表通りではなく裏通り、ちょっと有楽町寄りに出店してきました。

さらに三越がOL向けに売場を改装し、プランタンも一層、OL向けにシフトした店づくりに変え、銀座の客層が有楽町方面から徐々に若い客層に変化していったのです。

その後、有楽町駅前の再開発でマルイが出店し、有楽町・銀座界隈は完全にOLの街、そして若者の街へと変化したのです。

そして2008年、H&Mが銀座に初出店した頃から銀座の原宿化が進み始めました。ルイ・ヴィトンが大型店の銀座への出店を取りやめ、銀座松坂屋入店していたグッチが退店し、その後にフォーエバー21が出店すると発表しました。

銀座は高級なブランドブティック街だったのは昔の話になってしまったのでしょうか。

今も主要ブランドの旗艦店は銀座にあります。しかし、2008年に日本でのブランド売上が急激な減少を続けたことから各社のトップが次々と来日しました。その結果出てきた言葉は、「日本の消費者は変わった」だったそうです。おそらく各社の目は日本から北京、上海へと向いていて、徐々にブランドの日本を見る目、銀座に対する価値観も変わってきているはずです。それに伴って、銀座にはたくさんのファストファッションブランドが出店することとなり、銀座が「原宿化」していったのです。これが一番の「銀座の変化」です。

その象徴とも言えるのが4月にオープンするフォーエバー21だと思います。
■ フォーエバー旋風が銀座で吹き荒れる
「フォーエバー21」が2010年4月29日に松坂屋銀座店内にアジア初の旗艦店、「XX1 at GINZA by FOREVER 21」(フォーエバー21銀座店)をオープンします。松坂屋銀座店の本館1階~5階の一部に入り、総面積約930坪という売り場です。原宿店に比べて若干上の年齢層へ向けた内容も取り入れるとのことですが、基本的には若者の集客に一役買うことでしょう。 店舗名称にある「XX1」(エックス・エックス・ワン)は、フォーエバー21の旗艦店を意味しています。店舗立地、売場面積、アイテム数などが他の直営店に比べてよりハイグレードな店舗の名称に付けられるブランド名です。なお、日本発の直営店として2009年4月にオープンした原宿店では、現在も週末や休日には行列ができるほどの盛況ぶりです。待望の2号店にしてフラッグシップショップとなる銀座店のオープンは話題となるはずです。
【フォーエバー21 銀座店概要】
■『XX1 at GINZA by FOREVER 21』
(エックス・エックス・ワン・アット・ギンザ・バイ・フォーエバートゥエンティワン)
オープン予定日:2010年4月29日(木・祝)
場所:松坂屋銀座店本館1階~5階 みゆき通り側の一部
営業時間:10:30~21:00
商品構成:レディス…FOREVER 21、Twelve by Twelve、HERITAGE1981、Love21 
メンズ…HERITAGE1981 キッズ:HTG81(6~14 才) キッズは日本初登場
フォーエバー21の日本での支持率の高さはかなり「異常」です。現時点ではまちがいなくダントツの集客力を誇るブランドでしょう。いつ行っても、特に原宿店内は黒山の人だかりです。

同社の特徴は、
 1.仕入れを中心にした品揃えである点 
 2.だから常に最新のトレンド商品をデリバリーできる 
 3.結果として最新の商品を激安で購入できる 
  (1万円あれば完全にフルコーディネイトが可能。しかもカップルで!!)
という点です。
H&MやZARAなどが自社デザイナーにより企画され、自社の協力工場で生産する完全なSPA型であるのに対して、フォーエバー21は、外部の協力メーカーに商品を作ってもらいそれを仕入れるというOEM型という点が最大のちがいです。同じように「ファストファッション」で語られますが、この方式でやれるので、そこにかかる人件費や間接経費を抑えることができ、結果として非常に安く商品を作ることができるのです。

これを2000社と言われる取引先から仕入れていくため、臨機応変に売れるものをぱっと入れて、ぱっと引き上げることが可能なのです。

どこよりも早く、トレンドの商品を、どこよりも正確に投入するという同ブランドのスタイルが、日本の消費者の支持を集めています。
同店の銀座出店により、銀座にはさらに変化が起こると私は見ています。

単に「名前だけが有名」なブランドよりも、「実際に着れるリアルクローズ」こそが今の日本の消費者のニーズです。
日本のファッショントレンドは「持つこと」から「実際に着れること」、「着回しがきくこと」へとシフトしています。
このブランド戦略に学ぶ点は大きいでしょう。
これからの企業ブランド戦略においてフォーエバー21に学べる点は多くあります。
同時にそれ以外のブランドがどのようなブランド戦略にて対応するのかが見ものです。

4月は銀座に注目する必要がありそうです。
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■ 著者プロフィール
岩崎 剛幸(いわさき たけゆき)
船井総合研究所 ブランド&PRチーム 上席コンサルタント
「戦略は思いに従う」を信条 にファッションを専門分野として、現在では百貨店、アパレルメーカー、SPA専門店を中心としたアパレル、流通小売業のコンサルティングに従事している。現場支援と通算2,000回を超える講演活動により、情熱に満ち溢れた企業づくりにまい進している。テレビ出演、雑誌、新聞などへの執筆も数多く、コメンテーターとしての活動にも注目が集まっている。 この数年のコンサルティングテーマは「永続するための企業ブランド戦略づくり」。社員が誇れる会社を作るためのコンサルティングに全力を注いでいる。 著書に『アパレル業界の動向とカラクリがよ~くわかる本』(秀和システム)などがある。
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