ブランディング定点・定物観測

アバクロ銀座店の見たこともないプロモーション

アバクロ銀座店が12月15日(火)にオープンしました。その日の夜に日経CNBCの「夜エキスプレス」というニュース番組にでてコメントをすることになっていたため、出張先から銀座に直行してアバクロ銀座店を視察してきました。

アバクロが出店する前に私は何度も同じ質問をされました。
「H&Mの時のようにアバクロにも行列ができますか?」
私は必ずこう答えていました。
「必ず行列ができます。なぜなら日本でのアバクロ人気は絶大だからです。平日オープンですのでH&Mの時のように5000人とは言わないまでも、数百人が行列を作ると思いますよ」

私はオープン前日の夜にアバクロ銀座店の前を通ってみました。おそらく徹夜組が並んでいるだろうと思ったからです。するといました。12人がシートを敷いて行列を作っていました。やはり!と思ったのです。これで当日は500人は並ぶなと思いながら帰路に着きました。

オープン当日、11時の開店にあわせて800人ほどが行列を作っていたそうです。

私が同店に行ったのは夜の7時。この時点でも行列が500人ほどいました。入店したのは30分後。中に入ってアバクロの言う「世界観」をじっくりと堪能してきました。

1.11フロア構成の店舗
銀座で一番高い12F建てビルの1~11Fをアバクロは占めています。
世界中のアバクロの店でもこんな店は一つもありません。通常は1フロアまたは2フロア展開の1000㎡程度の店です。銀座店は土地の高さもあり1フロア100㎡弱。それが11フロアにそびえたっています。ある意味、圧巻の店づくりでした。
2.五感を刺激する店づくり
中は真っ暗なクラブのような雰囲気。入り口に近づくとアバクロで販売している香水の香織が漂ってきます。と共に、大きな音量のライブハウスかと思うような音楽。そして店頭にはストアモデルと呼ばれるイケメンスタッフがお客様を出迎えています。そこをぬけて中に入ると1Fには商品が何もおいてありません。そこにはストアモデルが上半身裸でポーズをとってお客様と写真を撮っている姿が。店の入り口でお客様をお迎えするスペースで裸の男が立っていて、その男がお客様と写真を撮るサービスをしているのです。
こんな店を他で見たことがありますか。
これがアバクロの世界観を演出するツールなのです。アバクロの特徴は「五感を刺激する店」。視覚(内装デザイン)、聴覚(音楽)、嗅覚(香水の香り)、触覚(ストアモデルにお触りOK)、味覚(洋服なのでこれはありませんが商品の品質や店の雰囲気からなんとなく味覚に訴える部分を感じます)を刺激して、お客様に購入を促すという戦略です。
びっくりするのは「香水を店内にスプレーしてまわるだけの仕事をするスタッフがいる」ということです。私が視察した時にも香水係のスタッフが階段の一段一段に香水をふりかけていました。こんなことも今までのアパレル業界には見られなかった取組みです。 
アバクロオープン前プロモーション写真にありますように、実はアバクロはオープン前にある新しいプロモーションをやっていました。それは何か。
「ストアモデルを店の前に立たせる」というプロモーションです。

「えっ?それって何が新しいの?」
と思われるかもしれません。
しかしこれはかなり斬新でした。


12/10(木)の11時、「アバクロンビー&フィッチ 銀座店」のドアが開き、モデル並みのルックスの男性が次々と店の前にでてきました。
彼らはアバクロでは「ストア・モデル」と呼ばれる人たちです。
いわゆる「スーパー販売員」であり「モデル」でもあるスタッフです。彼らが店頭に現れて並ぶというパフォーマンスは12月15日のグランドオープンまで続けられ、それがニュースにもなりました。

いかがでしょうか。
店の前にこれだけのイケメンストアモデルが並んでいる光景だけでも相当なPR効果です。この寒さの中、裸で大丈夫か?と心配になります。ホストクラブのオープンか?と間違う人もいるのではないでしょうか。その意味で今はとにかく斬新な宣伝手法をとらなければお客様に新鮮さを届けられないのです。

店頭に並ぶストア・モデルは、みんなマッチョタイプ。その裸体にネルシャツとジーンズ、ジャケットという全員お揃いの「アバクロ」定番スタイルです。イケメン総勢13名。突然の演出に、道行く人が思わず立ち止まり、あっという間に周囲に人だかりが出来ていました。
ストア・モデル達は、「アバクロンビー&フィッチ 銀座店」オープン日まで、11:00~18:00の時間帯に入れ替わりで立ち並びました。ストア・モデル達に話しかけたり、一緒に記念撮影をしたりすることもしていました。また、グランドオープン後は1Fでストア・モデルとポラロイド写真を撮影し写真をお持ち帰り出来るというサービ スも実施されていました。

ちょっと遊んでいるようにも思いますが、今までこのようなオープニング前のプロモーションをやった企業を私は知りません。
これからのブランドづくりにおいては、普通の提案ではそそられないのです。お客様に「えっ?」と思ってもらえるような提案
これこそがブランドづくりには必要です。

銀座からは新しいトレンドが生まれています。
これからも銀座は定点観測の場として私も注目していきます。


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■ 著者プロフィール
岩崎 剛幸(いわさき たけゆき)
船井総合研究所 ブランド&PRチーム 上席コンサルタント
「組織は戦略に従う。戦略は思い(情熱)に従う」というコンサルティング信条のもと、出会うすべてのお客様に対して、情熱を込めたコンサルティングを行う。コンサルティングテーマは、「永続性を実現させるブランド戦略」。アパレル業界を専門領域として、アパレルメーカーの戦略立案、新業態開発を得意とし、SPA専門店、百貨店、GMS、品揃え型専門店にいたるまで川上から川下までのコンサルティングを実施している。現在はアパレル企業のブランド戦略づくりに特に力を入れている。立教大学兼任講師。
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