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ヌー大移動の蹄を感じ、極寒のブリザードで凍える!世界初出店「オービィ」とマークイズの魅力とは【前編】

オービィの館内に入ると、巨大なスクリーンが出迎えてくれる。これは「アニマルペディア」で横18メートル、高さ6.5メートル Photo:DOL

2013年8月19日、世界初のエンターテインメント施設、「Orbi(オービィ)」が神奈川県横浜市みなとみらいの新商業施設、「MARK IS みなとみらい」(以下、マークイズみなとみらい)にオープン。マークイズみなとみらいのすべてのテナントが完成し、本格的なオープンとなりました。
注目すべきは、オービィはもちろん、オービィが入居するマークイズみなとみらいの施設作りやテナント構成が、これまでの商業施設の常識を覆す試みとなっており、それが集客につながっている点でしょう。オービィの魅力とマークイズの独自性とは具体的にどのようなものなのでしょうか。

◆大自然超体感型施設オービィの正体とは?

オービィは、間違いなくマークイズみなとみらいの目玉となるでしょう。

ゲーム会社のセガと英BBC Worldwide Limited(英BBC)の共同プロジェクトとして作り上げた、映画館でも水族館でもなく、テーマパークでも博物館でもない世界初のエンターテインメント施設です。掲げるのは「大自然超体感型ミュージアム」。BBC EARTH(BBCで過去50年間にわたって制作された自然番組)の映像を、セガとのコラボレーションにより、大画面や迫力ある音響だけでなく、振動や3D立体映像、衝撃波や風などの演出、においの再現など、様々な技術とともに楽しめる施設です。

「過去50年にわたって自然を追いかけてきたBBCはテレビ画面を通じてその迫力や感動を伝えてきたが、自然や動物は本当はものすごく大きくダイナミックなものなのに、リビングの隅に置かれた小さなテレビではなかなかそれが伝えられない。象の大きさ、獲物を狙うコモドドラゴンの息づかい、草原の緑の匂い、潜水艇の外に見える小さな生物の美しさ。これらをできるだけリアルに再現するための施設として、セガと共同でオービィを開発した」(ベン・ロイBBC EARTH プロデューサー/ディレクター)

年間来場者目標50万人。売上は明らかにしていませんが、入場料+物販で1人当たり3000円程度の支出と想定すると、15億円程度の売上目標(筆者推測値)と考えられます。


◆究極の没入体験を実現 霧と風、振動に匂いも

アニマルペディアの白いスポットに立つ。手を動かすと赤い矢印が現れる。大人も楽しめる Photo:DOL

では、もう少し具体的にオービィの魅力に迫ってみましょう。

冒頭で「映画館でもなく水族館でもなく、テーマパークでも博物館でもない」と言いました。オービィのなかには本物の動物や昆虫がいるわけではなく、本当の自然はありません。しかし、リアルな映像と演出効果によって、まるでその場にいるかのような感覚にさせてくれる体験型施設です。テクノロジーの進化に感動すると共に、自然の力のダイナミックさを屋内にいながら体験できるところが、最大の魅力です。「究極の没入体験」(長谷川敦彦・セガクリエイティブディレクター)が、開発側が目指したものだということです。

館内には12種類の体験をテーマにしたエキシビジョンゾーンがあり、それぞれが入れ替え制になって楽しめるようになっています。

入口からまず目の前に広がるのが「アニマルペディア」。横18メートル高さ6.5メートルの巨大スクリーンに、等身大でコンピューターグラフィックスによる動物達のシルエットが浮かんでいます。

映像は2種類で「サバンナ」と「海」。サバンナは6種類、海は5種類の生物が登場します。それぞれの生物には3つずつトリビアが隠されています。それは、スクリーンの前にある白い円形のスポットに立つことで見る事ができます。

スポットの正面にはセンサーがあり、手を動かすと赤い矢印が現れます。ちょうど、パソコンのマウスを扱っている感覚です。スクリーンに現れた生物をクリックするような感覚で赤い矢印を動かせば、その動物のトリビアを表示させることができます。

「EXHIBITION A 40,000」実際に風も受けるので、本当に空を飛んでいるような感じだ Photo:DOL

「アニマルペディア」の真後ろに位置するのが「EXHIBITION A 40,000」。彎曲した画面に空からの大自然が映し出され、まるで空を飛んでいるような気分になる5分程度の映像です。さわやかな風を実際に浴びながら地球一周を楽しめるところから「40,000」(km)と名づけられています。

入口入って左側にあるのが「EXHIBITION B 1,300,000」。ヌーの大群(130万頭)の映像が楽しめるコーナーです。

室内に入ると現れるのが四方に設置されたスクリーン。中央に枠で区切られたエリアで、観客は立って映像を見ます。立体音響装置と振動装置による効果で、まるでヌーの大群の中に自分がいるかのような体験ができます。

「EXHIBITION C 60」は、3D映像によって、ヌーの大群の映像よりもさらに臨場感溢れる体験ができます。ここで見られるのは世界最大のトカゲ「コモドドラゴン」の生態。振動と音響ユニット、接触装置などによって、部屋のどこかに実際にコモドドラゴンがいるかのような感覚になり、鑑賞中に会場からは思わず悲鳴をあげてしまう女性もいました。

一方で、「EXHIBITION D 89.2」はそれまでの映像を中心としたものではなく、マイナス15℃~マイナス20℃の寒さと風速15メートルの風を20秒間、実際に体験できる施設です。

取材時、室内は0℃に設定されていて、ここまでは真冬の東京でも体験できる寒さで、特別な驚きはありませんでした。しかし、風速1メートルで体感温度はマイナス1℃下がります。風速15メートルの風がふくと、その寒さは東京でもなかなか体験できないものでした。室内を出ると温度差で一気にメガネが曇ります。
「EXHIBITION E 10,994」湾曲したスクリーンに海のなかの様子が映し出される Photo:DOL



他にも、深海映像が楽しめる「EXHIBITION E 10,994」、ウォークスルーで昆虫の世界を映像や演出装置で楽しめる「EXHIBITION F 75」などがあります。

「THEATER23.4」横40メートルのスクリーンで圧巻の映像が映し出される Photo:DOL

そしてオービィ最大の売りである「THEATER23.4」。これは大迫力です。

エリア全体の中央に位置する「Orbi」のメインとなる巨大シアターで、40メートル×8メートル(幅×高さ)の日本最大級のメインスクリーンと、演出用の5.3メートル×3メートル(幅×高さ)のリアスクリーン2枚に囲まれた340人収容の巨大シアターです。

BBC EARTHがこのシアターのためだけに制作した完全オリジナルストーリーによる15分ほどの映像が流れます。その映像にあわせて、実際の風やにおい、霧、ライト、そして立体サラウンドシステムによるリアルな音とともに楽しめます。

「THEATER23.4」では、霧や匂い、風が出てくる。前から3列は霧が直接当たる。氷山が崩れる瞬間に、スクリーンの下部から霧が噴射された Photo:DOL

湾曲した巨大なスクリーンの下部から霧や匂い、風が出てきます。前の3列くらいは霧によって少し濡れてしまうかもしれません。匂いに関しては草原の草や土の匂いなど、2種類を出す予定だそうです。

取材時は匂いに関しては調整中という事で、実際に体験する事はできませんでした。そうであるにもかからず、取材で映像を鑑賞した後、非常にインパクトのある映像だったことから、記者から大きな拍手が湧いたほどでした。


 (後編に続く)

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■ 著者プロフィール
岩崎 剛幸(いわさき たけゆき)
船井総合研究所 ブランド&PRチーム 上席コンサルタント
「組織は戦略に従う。戦略は思い(情熱)に従う」というコンサルティング信条のもと、出会うすべてのお客様に対して、情熱を込めたコンサルティングを行う。コンサルティングテーマは、「永続性を実現させるブランド戦略」。アパレル業界を専門領域として、アパレルメーカーの戦略立案、新業態開発を得意とし、SPA専門店、百貨店、GMS、品揃え型専門店にいたるまで川上から川下までのコンサルティングを実施している。現在はアパレル企業のブランド戦略づくりに特に力を入れている。立教大学兼任講師。
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