過去のブランディングコンサルティングレポート

ネット通販で1万点売る!ヒット商品の作り方

1.商品選定で全て決まる
■商品選定を間違ったらページ作りも広告も意味がない!

インターネット通販(EC)の場合は広告媒体や検索対策のテクニックなどに目がいきがちですが、広告本位でなく、商品本位のページ作りをしている会社さんでは、ECでも特に強いショップを作り上げています。

私の専門の雑貨メーカーさんでも、業績を伸ばしているところは常に意識されているのが、この「商品本位」の考え方です。

例えば、一口にネットショップといっても、自社商品中心の「メーカー型EC」、仕入れ商品が中心の「品揃え型EC」、物販ではなくサービスを提供する「サービスEC」など様々な業態がありますが、いずれの業種・業態においても「商品力をどう高めて行くか」を考えたほうが、ページ作りや広告で悩むよりも、結果的に早く業績アップできることがほとんどです。

私のお客さんもメーカー型ECのお客さんが多いのですが、こうした会社の場合は少ないアイテム数の中で商品ページを作りこみ、ヒット商品を生んで、1品番あたりの売上を伸ばすことが特に大事です。

そうなると、どんな広告や売場作りのテクニックも限界があります。むしろ、テクニックが無駄に終わるような商品選定をしていては、今のような競合激化のECの時代にはスピードでついていけません。

今月はそのような視点で、インターネット市場で1品番1万点以上売れているヒット商品の事例と併せて、売れる商品作りについて考えて行きたいと思います。

■スタート時は売り込む商品を絞り込め!

このように考えると、ヒット商品を作るためには、ある程度売り込む商品を絞り込むこことが必要になります。

商品ページ数を増やすことで、ある程度確実に売上は伸ばせますが、売上の伸びはすぐに限界が来ます。また、全てのページを100%の精度で作りこむことは、商品ごとの売上が変わることを考えると非効率だと言えるでしょう。

つまり、1つの商品に絞り込んで、1枚の商品ページで徹底的に訴求することに時間を割くほうが大事なのです。なお、この最初の段階で売り込む商品を絞り込む必要があるというのは品揃え型の店でも同じです。なぜかというと、「ヒット商品の条件」と言うのは決まっているからです。

この「ヒット商品の条件」に沿って、量を売るべき商品を決めることが、ヒット商品づくりの第一歩だといえます。
2.買ったほうがいい理由を伝えよう
■商品オタクになっていないか?

メーカー型ECショップでは特に、ものづくりに詳しいことが強みです。ところが、ややもすると「ものづくりオタク」になりがちなのです。「ものづくりオタク」とは、例えば食品であれば素材・調理法、衣料品であれば産地や縫製・加工法、住関連品であればスペック・技術……こうしたものを作る話は得意だけど、売れるコピー・文章づくりがおろそかになってしまっている方のことです。

これは品揃え型でも、業界が長く、商品に思い入れがあるショップさんに多くある現象です。こうした会社さんがやるべきこと。それは、商品のよさを伝えることだけではダメで、卸であれば、バイヤーに対して「消費者が買う理由」を伝えること、ECであれば目の前のお客さんに対して「この商品を買ったほうがいい理由」を伝えることが大事になるのです。

■ 商品のよさだけを伝えていないか?

商品を買ったほうがいい理由には、「価値/価格」の訴求、今だけ・ここだけ・あなた・だけの訴求、お店の信頼の訴求などが必要です。そしてもちろん商品のよさを伝える必要があります。

これを商品ページの書き方の原則で見ると、 (1)動機付け、(2)品質訴求、(3)信用訴求、(4)決断訴求
という表現方法になります。今回はこの詳細の説明は省きますが、ポイントは、「商品の品質」だけでは売れないと言うことです。

それでは、どんな商品なら売れるのか。今回は、ヒット商品作りを支援してきた経験と、実際にご支援先さんで1万点を超えるようにヒットした商品の事例、そして市場調査の結果から導き出した「ヒット商品の5条件」から、皆さんにもヒット商品開発を考えていただきたいと思います。
3.ヒット商品の5条件
これまでの船井総研のご支援実績や、今の市場の状況を考えると、インターネット通販市場でヒット商品になりえる条件は、以下の5つといえます。

<ヒット商品の5条件>
 (1) 価格分の価値で他社を圧倒する「目玉商品」
 (2) 購買頻度指数の高い「すべらない集客商品」
 (3) ニーズがあるのに市場にない「空白マーケット商品」
 (4) 固有名詞で検索される「ブランディング済商品」
 (5) 感覚・感情・感度に訴える「感動口コミ商品」

上記について、事例を元に検証していきます。

(1)価格分の価値で他社を圧倒する「目玉商品」

「目玉商品」とは、集客を目的とした価格インパクトのある商品のことです。ここで誤解をしてはいけないのは、「目玉商品」とは、「値引き」「安売り」のことだけを指すのではないということです。価格インパクトがある状態とは、「価値/価格」で他社を圧倒していることなので、「普段は中々買えない様なこんなにいい商品が、買い求めやすい価格」というような商品も、競合やお客様の想定を圧倒していれば、もちろん目玉商品といえるのです。

それでは、「他社を圧倒する」とはどれくらいの価格インパクトのことなのでしょうか。

一般的に、一目で「通常よりはっきり安い!」と言われる差は1.3倍、同様に一目で「目玉商品」と思われる差は1.7倍と言われています。

つまり、競合のおおよそ2/3の価格で市場に投入できれば「目玉商品」として他社を圧倒できる可能性が出てくると言えるでしょう。したがって、例えば食品の会社であれば、競合のgあたり価格を調べて、gあたりが2/3まで下げた商品が投入できればよいということになります。

そして、「目玉商品」の開発をするために持つべき発想としては、「1.圧倒できる価格設定から考えて目玉になる価格を算出し、その後に不断の覚悟を持って調達背景を作る 2.客数アップとして割り切り利益率を下げた商品を投入し、代わりに必ず別の商品で利益をとる」のいずれかの発想が必要です。

1.の例であれば、製造コストの積み上げからコストを産出するのではなく、いくらなら他社を圧倒できるかから商品づくりをスタートする必要があります。そのあとに製造コストの安い海外などで生産したり、問屋の在庫品を大量に仕入れたりなどの調達背景を作るなどの大胆な発想が必要なのです。

2.の例であれば、利益率を下げた分は広告宣伝費として割り切るという考え方です。広告を打つ際に、「購入1件あたり広告費=CPO」や、「広告費対売上比率=メディアレーション」を産出するように、利益率を下げた額に対しての別の商品の販売費用効果を産出し、意味のない広告を出すくらいならば、目玉商品を作ってシェアを取ろうという発想をするということです。

この目玉商品を作る効果としては、コピー訴求の簡素化が挙げられます。キャッチコピーを作る目的は「動機付け=価値/コストの訴求」ですので、「価値/価格」を訴求するだけで、当たるキャッチコピーができあがってしまうのです。
 「目玉商品」の例
  ・ スーツが6着で1万円
  ・ グラムあたり価格が競合の2/3の「お試しセット」
  ・ ニットが399円

(2)購買頻度指数の高い「すべらない集客商品」

数が出やすい商品というのは、実は業種によって全て決まっています。そしてこれは、「購買頻度指数」という指標で算出することができるのです。

  購買頻度指数(平均年間購入回数) = MS(マーケットサイズ) ÷ 平均単価

購買頻度指数とは「平均、人はその商品を年に何回買うか」の指標です。これを算出するためにMS(マーケットサイズ・国民一人当たりの年間消費支出金額)を平均単価で割って算出します。

例えば、「飲料」の場合は以下のような指標になります。

  「飲料」の購買頻度指数の算出 
  15,000円(MS) ÷ 150円(平均単価) = 100(購買頻度指数)


つまり、日本人は年間100本ほど飲料を購入するのです。
例えば、コンビニエンスストアで売っているあらゆる商品の中で見てみると、飲料の「100」の最も指数が高いのです。そして、実際にコンビニで最も点数が出るのはドリンクです。購買頻度が高い商品の点数が出るのは当然なのです。だから、コンビニは店の一番奥に飲料を置いて集客して、隣のお弁当で粗利益を稼ぐのです。

これを業種・業態別に見て行くと、次のようになります。



ここで大事なことは、「一番売りたい商品や、一番売上の大きい商品」と「すべらない集客商品」は異なるということです。

「目玉商品」もしくは「すべらない集客商品」は、あくまで点数・客数を取りに行くための商品です。これらでお客様を集めて、別の収益商品で利益を取るという目的の元に作る商品です。だから、まずは一度0ベースの視点で購買頻度指数を計算する必要があるのです。

なお、この「購買頻度指数」はより細かいアイテム別や、ブランド別にも、国内販売額と単価さえ判れば細かく出すことができます。

例えばアパレルなら「カットソー」、ファッション雑貨なら「アクセサリー」、靴なら「サンダル」が「すべらない集客商品」となります。しかし、もっと細かく見ると、ジーパン店なら「リーバイス」、アクセサリー中で見るなら「ピアス」、サンダルのブランド別では「クロックス」となります。つまり、これらの商品を強化することが「集客アップ」となるのです。

ちなみに、より確実に点数を出すためには、万人受けする商品がよいといえます。以前私のメルマガでもご紹介した「メンズスタイル」で一番数が出ているのはやはりカットソーですが、ここの商品は万人受けする「無地」がほとんどで、最大のヒット商品になったこのカットソーももちろん「無地」でした。

これが、ただの集客商品ではなく「すべらない」という意味なのです。

(3)ニーズがあるのに市場にない「空白マーケット商品」

実は、この(3)の「空白マーケット商品」こそが、本当の意味での最大のヒット商品だといえます。なぜなら、1.ロングセラー、2.シェア独占、3.利益の最大化を実現することが可能だからです。

なお、以下に説明する(3)~(5)の商品の場合は、既存の商品から選ぶだけでなく、商品自体の企画から考えて行くことが必要になります。

これは、作る側の事情や業界の慣習にとらわれていては絶対にできません。お客さんの悩みや不満・不安を見つけ、「どうしたらそれを解決する商品ができるか。」という視点が必要です。

あるカステラメーカーの場合は、いちご味、キャラメル味のカステラは業界にはなかったのですが、お客様に喜ばれる味から考えて誕生した商品でした。これは作ろうと思ってすぐにできるものではありません。「1.ターゲット客の明確化と、2.ターゲットの悩み、3.その悩みを商品力で解決する方法」の3つを常に考えていなくては、アイデアは生まれてきません。

是非、お客様の心の声に耳を傾けることから始めていただきたいと思います。

 「空白マーケット商品」の例
  ・ クラウストルムの「片手で開閉できる名刺入れ」「片手で開閉できる携帯灰皿」
  ・ 長崎カステラセンターのいちご味・キャラメル味のカステラ

(4)固有名詞で検索される「ブランディング済商品」

ECサイトでブランディングされた商品を持つことの意義は、固有名詞で検索されることができるということです。固有名詞で検索された商品であれば、ページ転換率10%超えも可能であり、リスティング広告なども必要ないことから、一般名詞で検索された商品と比較して、広告などの効果がはるかに高まることが見込めます。

固有名詞で検索されるための策の第一歩としては、覚えやすいネーミングです。長崎カステラセンターの場合は「幸せの黄色いカステラ」とつけた商品がヒットしています。

その上で、メディアや権威者へのアプローチをしかけます。メディアであれば、テレビ、雑誌、新聞などにリリースを出したり、知り合いを作ったりをするわけです。今回はその詳細は省きますが、ポイントとしては小さなメディアでもまずは載ること、小さな賞でもまず取る事が大事です。

また、間接的なキーマンを使うことも有効です。ご支援先のある靴のブランドでは、メディアに出るために、テレビや雑誌の出演者のスタイリストにアピールしてもらいました。50件ほどのスタイリスト事務所のリストに資料を送付し、3件ほどの貸し出し、2件が雑誌に掲載され、ブランド名での検索数が一気に増えたのです。

これを実施する際で、必ず念頭に置かなくてはならないのは、すぐにはブランディングはなされないと知ることです。小さなきっかけを大事にして、ショップのスタッフ全員が一体となって、長期的に考えることが必要なのです。
5.感情・感覚・感度に訴える「感動口コミ商品」
売れ続けるサイクルを作るためには、「口コミ」の力がとても大きいですが、口コミを呼ぶ要素について考えている方は、意外と少ないものです。奇をてらったものを作ったり、流行のキーワードを入れてみたりしている会社もありますが、それだけでは中々口コミにならないのが実際です。

口コミの第一歩は「記憶」からです。使用して強烈に記憶された商品だからこそ、誰かに伝えたいという気持ちへとつながるのです。そして、この「強烈な記憶」を発生させようと思うと、商品のよさの説明だけでは限界があります。説明ではなく、「気持ち(感情)」、「体験(感覚)」、「センス(感度)」に訴え、感動させる必要があるのです。

例えば、次号の私のメルマガで紹介予定の「ベル」という靴のインターネットショップは、業界標準をはるかに下回る低い広告費にもかかわらず、高いリピート率により靴メーカーで始めてショップオブザイヤーを受賞しました。

このブランドは、履いた瞬間にわかる履き心地を売りにしています。ベルのショップコンセプトは「やさしい靴」ですが、賞品のコンセプトは「シンプル、ナチュラル、気持ちいい」。ここにフォーカスした若い人向けのブランドがなかった上に、メーカーの強みを活かして履き心地を極めたことでファンを作ったのです。

是非、上記の5つの条件に合う商品を開発・検討していただき、インターネット市場で1万点以上売れるヒット商品を作ってほしいと思います。
人気のコンサルティングレポート
新商品の認知度を高めたいのですが、どうすれば良いですか?
日本での知名度を高めるためには、どういったプロモーションが必要ですか?
自社のあり方に悩んでいます。どのような経営指針を立てれば良いでしょうか?
これからの自社のビジョンについて相談したい。
うちの会社を有名にしたいのですが、どうすれば良いですか?

会員登録はこちら

会員登録する(無料)

会員登録すると、

  • 業界最新情報満載の
    コンサルティングレポートの閲覧
  • メールマガジン無料配信登録

などの特典がございます。

facebookページはこちら
岩崎剛幸のブログ
大嶽広展のブログ